ピアニストがソリストと共演する場合は「ピアノ伴奏」もしくは単に「伴奏」という言い方が一般的ですね。
伴奏って、、、
辞書的には、「主たる旋律を演奏する単数または複数の歌手や演奏者に対して、副次的な演奏をすること」とか「声楽や器楽の主要部に合わせて、他の楽器で補助的に演奏すること」などと説明されています。
確かに、ソリストの音楽を支えている実感はあります。
ハーモニーの色合いを出す役割は、ほぼピアノがになっていますから、なおさらです。
かつて伴奏というと、前述の辞書的説明にある「副次的」という言葉が表すように、ソリストの次に控えているような感じにとられがちでした。
私が学生時代のある日のことです。
「いろいろと伴奏をしている」というと、「あなたはソリストになるのは諦めたの ?」と言われたことがありました。
私の尊敬する先生は、ソリストであり、アンサンブルも伴奏も、ピアニストとして可能な演奏活動を続けておられました。
もちろん今、現在もです。
弟子としての私は、先生の演奏活動をみていましたから、それがピアニストとしてあるべき姿だとも思っていましたし、先生のようになりたい‥とも思っていました。
そんな思いで学生生活を過ごしていたので、もちろんソリストになるのを諦めるなどどは、少しも考えたことはなく、言われた内容そのものに驚いてしまった感じでした。
ピアノ曲は、ピアニストが一生かかっても弾ききれないくらい存在しています。
そして、ピアノは一人でも音楽を奏でることが可能です。
しかし、音楽をするならば、一人で演奏するだけではなく、いろいろな楽器や歌手と共に、様々な音楽を奏でたい。
様々な作品には「ピアノと〇〇のための‥」といった題名がついていることがあります。
ピアニストは、ソリストと「一緒に」音楽を表現する。
つまり、「伴奏ではなく共演」だし、一人ではなく二人で、または複数で「アンサンブル」をしているのです。
一人でソロ演奏をするのも、自分以外の人と共に音楽を奏でるのも素敵なことです。
私は、主に室内楽(アンサンブル)を中心に音楽活動をしていますが、ソロ演奏での活動もしています。
この世の中には、音楽は、数えきれないほどたくさん存在しています。
ソロ曲でもアンサンブル曲でも、ジャンルを超え、可能な限りたくさんの音楽と出会い、たくさんの音楽家とも出会いたい。
ちょっと欲張りかもしれませんが、私の本音です。
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